景品表示法とは?
不当な表示や過大な景品類の提供を制限又は禁止し、公正な競争を確保することにより、消費者が適正に商品・サービスを選択できる環境を守るための法律です。(景品法・景表法)
景品類とは?
「事業者が消費者を誘引するための手段として、商品やサービスの取引に付随して提供する物品、金銭などのこと」を指します。値引きやアフターサービスは含まれません。
総付景品とは?
総付(そうづけ)景品とは、サービス利用者や商品購入者にもれなく景品を提供することを指します。
例)来場者全員に粗品としてボールペンをプレゼント
事例で景品表示法を徹底解説
スクラッチカードを利用したキャンペーンやイベントを実施するにあたり、景品の総額は適正かなど、景品表示法に関するお悩みや心配ごとを分かりやすくQ&A形式で解説します。
※消費者庁が発行するガイドラインを元に弊社独自の判断による内容となります。
スクラッチくじは景品表示法の規制対象?
利用する状況により景品規制の対象となります。
賞品の購入や、サービスの利用に付随した場合は、景品表示法上の懸賞として、景品規制の対象となります。
スクラッチなどのくじ引きで提供できる当たり景品(賞品)の価格はいくらでもOK?
制限があります。(下記参照)
①懸賞(くじ)により提供できる景品の最高額
取引金額が5,000円未満の場合はその金額の20倍まで(5,000円以上の場合は10万円)
例)ラーメン(600円)1杯食べた方にスクラッチカード1枚を渡す
…その時の1等(当たり)の最高額は12,000円まで
②懸賞(くじ)により提供できる景品の総額
懸賞対象期間(人数)の売上予定総額の2%
例)期間中の予定売上 800,000円
…500,000×0.02=16,000円(景品の総額)
景品(当たり)の総額は消費税込み?
景品(賞品)の総額は消費税込みの価格です。
ラーメン(600円)を注文してくれた人全員に餃子(180円)サービスはOK?
総付景品の対象となります。
商品・サービスの購入を条件に、来店者(ラーメンを食べた人)へ景品(賞品)を提供する際の最高価額は、対象取引価額が1,000円未満の場合(このケースは600円)200円なので、180円の餃子はOK。
ちなみに、対象取引価額が1,000円以上の場合、景品の最高額は、その取引価額の20%までです。
総付景品とは?
商品購入者にもれなく景品を提供することを指します。
例)来場者全員に粗品としてボールペンをプレゼント
商品の割引や値引きは景品規制の対象?
対象にはなりません。
値引きや割引は景品規制の対象外です。
来店してくれた人全員にスクラッチくじを渡すとき、景品(賞品)の最高額・総額は自由?
決まっています。
賞品・サービスの購入を条件としない場合、来店者に対して景品類を提供する場合の価額は原則100円となっております。
(ただし、そのお店の商品の中で最低価格のものが100円を上回る場合は、その価格が対象)なので、提供できる景品の最高額は20倍の2,000円までです。
景品類の総額は、スクラッチ実施期間中の予定売上総額の2%以内です。
来店してくれたお客様全員に粗品を配る場合は規制対象ではない?
総付景品の規制対象です。
取引金額が1,000円未満なら粗品の価格は200円まで。1,000円以上なら取引金額の20%以内です。
Tシャツ(1,000円)の購入者を対象にスクラッチくじを実施、外れた人を対象にするダブルチャンスの景品の最高額と総額は自由?
決まっています。
最高額は、1回目のくじ(スクラッチ)と、2回目の抽選(ダブルチャンス)は別々に提供でき、共に取引額1,000円の20倍=20,000円までです。
総額は、1回目と2回目の景品総額が、キャンペーン期間中の予定売上総額の2%以内に収める必要があります。
スクラッチに外れた人に残念賞として粗品を配りたいけど、粗品も景品の総額に含まれる?
含まれます。
スクラッチくじを利用することで、粗品も提供されるので景品の総額に含まれます。
2,000円以上買ってくれた人に次回使用できる30%割引券を渡す。この割引券は景品対象?
景品類には該当しません。
同様に「500円割引」という場合もOKです。
新規開店の時に来店者へ粗品を渡すのは規制対象?
該当しません。
ただし、新装開店などのリニューアル、オープン記念でスクラッチくじ等を利用する場合は規制の対象となります。
「ご来店先着100名様を遊園地にご招待」というのは規制対象?
総付景品の対象です。
来店順で景品提供の相手を定めることは、偶然性や優劣で選ぶことには当たらないことから、懸賞には該当しませんが、総付景品の提供に該当します。
来店し、商品を購入したり、サービスを利用したりするのであれば、景品の最高額は、その取引価額が1,000円未満の場合、200円まで。
1,000円以上なら、その取引価額の20%までです。
また、商品の購入や、サービスの利用を条件としないならば、その時の取引価額は、原則100円となるため、景品の最高額は200円となります。
例)この場合、仮に遊園地のチケットが1枚1,500円なら、このお店の対象取引額は7,500円となり、対象商品価額が7,500円以下の場合は規制の対象となります。
景品表示法に違反すると罰則の対象になる?
排除命令等の対象になります。
違反行為の差し止めや、再発防止の事項・措置・指導の徹底などを公正取引委員会に報告しなければなりません。
従わない場合は、2年以下の懲役または300万円以下の罰金が課されます。
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